フーバニア国異聞
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縞田理理「フーバニア国異聞」

へー、おもしろーい。

ほそぼそとした交易しかないカリカテリアとフーバニア。
七百年前にかわされた不可侵条約以来、カリカテリアにとっては
フーバニアは「酸っぱいブドウ」そのもの。
だが工業生産率増加に伴う資源不足によって、インフレが拡大、国内情勢は不安定に。
これを打破すべくカリカテリアは再びフーバニアに目を向けた。

そんな事情はまったく知らず、
「人食い人種がいる」と云われるフーバニアに派遣されたエラード。
まがりなりにも貴族なのに興味があるのは花や虫などの自然画を描くことだけ。
兄弟に疎まれ父に役立たずの男と呼ばれる暮らしを変えるべく、
誰も知らないフーバニアの自然を博物誌に上し
王立科学アカデミーお抱え博物画家になって面目躍如を狙う。

だが訪れた国は素晴らしい光景でいっぱいだった。
元来の暢気と人の良さでフーバニアに溶け込んだエラードは、
ネイリン・ニア・ロリンの3人を始め、フーバニア人と交友を深めていくのだった。
そして
この国とカリカテリアはもっときちんと互いを識るべきだと筆をふるい、
それを伝えるべく、別れを惜しみつつもカリカテリアへと戻ってゆく。
だが、
彼のスケッチや知識は、
二つの国を大きな陰謀へと導いてしまうのだった。


「おかしな世界」と始めから銘打たれた世界を、
よく考えたなあというおかしさで描いてます。
そしてその「おかしさ」についてもきちんと説明されています。なーるーほーどー。

お話も、よく練られていて安定感のある筆筋でした。
最後の数ページまで気を抜かせない展開で、わくわくしましたね。
エラードが兄ドワイトを助けようとするシーンはエラードの普通さ、素樸さに、
そしてドワイトがエラードを救おうとするシーンは、
ドワイトの悔恨ともう間違いたくないという真剣さが
短い文章と描写の中に感じられました。

ニアの立ち位置も、本来ならヒロインだろーというポジションでそうならないという絶妙さ。
エラードには是非とも独身道を歩んでいただきたいですな!
もしくはブリスで。姉さん女房はいかがですか。

そんなわけで他の縞田理理作品に手を出すことに。
なんかウィングス文庫が多いみたいです。「モンスターズ・イン・パラダイス」も
いいけど、「裏庭で影がまどろむ昼下がり」がすきかな。

だがしかし、フーバニアの残念な点は、
後書きに「イラストは動植物が得意な方に」とあるのですが・・・いや・・・どうかな・・・?
正直、描かれる珍妙な生き物の魅力を伝えられてるかというと、
うーん、うーん、あんまうまくねーよなー!もそっと正直に言うと、むしろヘタでは・・・?

絵の弱さで購入率が上がらなかったとしたら残念なんだけど・・・どうなんだろう。
お話は面白いよーと念押ししてみる。
【2009/10/15 20:45】 | れびゅーん | トラックバック(0) | コメント(0)
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別名 むしこ

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