ファーシーアの一族
assassin.jpg

ロビン・ホブ「ファーシーアの一族」全6巻

虚脱・・・

あーあーあー、あーつーかーれーたー。
知恵熱出てますよ、たぶん。

すっごくつらくてすっごく理不尽でそして静かな満足と悔恨。
そんな旅をしてきました。
とある少年の、狼の、王子の、道化の、妃の、若い恋の、愛の、飢餓の、死の、物語です。

以下は創元のあおり。

 “技”とよばれる力を持った遠視者一族が治める六公国。そこに、継ぎの王の私生児として
 生まれた男の子がいた。庶子(フィッツ)と名付けられたその子は、王の命で密かに
 暗殺者としての教育を受ける。折しも宿敵外島人の赤い船団による沿岸地域への襲撃が
 激しさを増し、六公国は次第に疲弊してゆく。王家の影として生きる宿命を背負った
 少年の成長と試練。魔法と陰謀が渦巻く異世界ファンタジー。

です。


はあー・・・。

ため息ばかりですが、本当にすばらしいおはなしに、出逢いました。
ファンタスティックというきらきらしい言葉からは遠く離れたファンタジーですが、
<騎士(シヴァルリ)の息子><帝王(リーガル)の陰謀><真実(ヴェリティ)の帰還>と、
3部作が各2巻ずつ、しかもどんどん厚くなる、辛いこと9割、幸いなこと1割、しかも
その幸いがより痛みを伴うというのに
読後感は静かな感慨深さでした。

あー、あれに似てるな、「ゲド戦記」を3巻で終えた時の読後感。

やるせなさや憤りも確かにあるのに、
登場人物の生き様そして死に様に不条理だと叫びたいのに、
納得させられてる私。
だって、頷かないわけにはいかない。
彼らはやらなきゃならないことをし、やれないことを諦め、
涙し罵りながら手に入れた結末だから。

それを否定できない。


それにしても、生きた人を描く、というのは、難しいことです。
(日本の作家で私が筆頭にあげるのは宮部みゆきですねー)
たった3行ほどの描写で
そのひとがなにを望みどんな道を歩んできたか、ふとした仕草に忍ばせる。
ほんの回想で失われたひとの愛を輝かせる。緻密で丹念な積み重ねによって恐怖を伝播する。
ロビン・ホブの、描写力は脱帽としか。
これだけの登場生物を縦横無尽に操る手腕は本当にすばらしい。
異世界ファンタジーというのは、
どれだけその世界に説得力を持たせられるかでリアル感が決まると言っても
過言ではないでしょう。
人がいて様々な思惑があって、ご都合主義ではいられない焦燥感。

ご都合主義の、しあわせな話だってもちろん好きです。

でも人生は常に、自分の思うようにはならないと、みんな知っているわけで。
どんなに端から見て成功していようとも、イチローは10割打者じゃないしウッズは2位になる。
努力でもって最高値をひたすら目指すことはできると証明されているけれど
生き物としての限界値は超えられない。
ましてや努力を放棄したなら夢物語を語る権利も放棄したのだと自覚すべきな訳で。

みんなしあわせになってほしいと願うだけでは生きた人は描けない。
人は苦痛と喜びの両方を持って成長するから。

私自身は平穏で比較的安穏とした
「まあしあわせなんじゃない?」と声に出して言える暮らしをしてるけれど。
物語にかつえてるのは痛みを忘れないためかもしれません。

そして今 満足です。






そんな静かな感想を抱きつつ、
1月から始まる新たな「道化の宿命」シリーズが待ってます!
しかも同じ3部作なのに第1部で3冊。・・・一体全部で何冊・・・!?
<真実>だって上下巻計5㎝のずっしり感満載だったのに!!
うー、たーのーしーみー。
結局、飢えは食べ続けなければ消え続けないのれす。
人間って燃費悪いね!
【2009/12/28 02:00】 | れびゅーん | トラックバック(0) | コメント(0)
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まるた曜子

Author:まるた曜子
別名 むしこ

同人誌とかやってる
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でも最近読み専になりつつ
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