本は読めないものだから心配するな
4903500187本は読めないものだから心配するな
管 啓次郎
左右社 2009-10-20

by G-Tools


「本は読めないものだから心配するな」

一週間掛けてようやく読了。
ここ何年かで一番美しい本に出会ったかもしれない。

管 啓次郎(すがけいじろう)という人を認識したのもこの本が初めて。
朝日新聞の毎週日曜日の書評ページで、書評担当者のミニ雑記でそのタイトルを知り、
中身を知らぬまま購入。(つまり書評されてたわけじゃない)

むしろそのタイトルに、
ちょっと面白系脱力エッセイ?とか思ってた私。

全然違いました。

すばらしく美しい本でした。

紹介文は以下。
「旅の途上で、満天の星の下で、本を語り、世界に通じるためのレッスンを語る、
実用的にして非啓蒙的な、読書批評エッセイ集。」

雑誌で連載したものではなく、この10年で単発で書いたものから読書とその周辺について
選りすぐったエッセイ集のようです。
使われる言葉は平易、しかし研究者らしい文章であり(その言葉でしか言い表せないから)、
時に洒脱、時に愚直な姿勢を貫き、
世界・言葉・文学・翻訳・リズム・重力・旅・写真 について、
軽やかな持論を展開していく様は音楽的ですらある。
言葉に対してなんてひたむきなんでしょう。


けれど、斜め読みができないので、とにかく時間がかかる。
何度も戻ったりする。知力不足はいかんともし難く・・・

そして何度も読み戻り、分からない言葉を辞書引きし、身体にしみこむのをゆっくりと待ちながら
思ったのは、


「ああ、大学生の時に出会いたかった!」


・・・とはいえ、本当に私が大学生だった頃、この本の良さを理解できたかどうか。
だけどあの頃の方が学習にたいして基礎があったと思うの・・・今のすり切れて忘却した知識に
比べたらはるかに。

後書きに当たる随筆から部分的に抜き出しました。

「読書の<内容>が水だとすれば、ひとつの脳=ダムに、あまり多くの水を溜めて
いいことなんて、ない。
水はよどみ、やがてダムは決壊する。そもそも容量が小さいのだから。(略)
水はどんどん海という共有場へむかってながれてゆけばいい。あるいは蒸発し、
雲になればいい。(略)
ゆきつく先が海だとしたら、(略)小舟を浮かべてみよう。
驚くべきことに、
ぼくらはこの小舟に乗って、はてしなく広がる大洋へと出発することができるのだ。
そして大洋にはたくさんの本の島が点在し、島にさしかかるたび、
古いともだちや知らない島民たちが、海岸から手を振ってくれる。
その希望に支えられて、ぼくらはこの土地で、この都市で、生きている、生きてゆく。(略)」

私の抜粋で菅さんの伝えたいことと素敵さが損なわれてないといいけど・・・

とまれ、

大学生ほど若くなくてもいい、本を読むという行動に懐疑的な人も、
このタイトルがどういう意味なのか、その奥にどんな世界が広がっているか
ぜひ触れてみて欲しい。

本読みながら青ペン持って書き込みするなんて、まじ大学以来だよー!
しかも自主的にだよ!?
どれだけ劇的だったか、分かっていただけるかしら(笑)

【2010/08/10 01:34】 | れびゅーん | トラックバック(0) | コメント(0)
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別名 むしこ

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